DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

宇宙産業で成長する世界各国のスタートアップ5社

2019年5月4日、インターステラテクノロジズ株式会社が観測ロケットMOMO3号機の打ち上げ実験を実施し、日本の民間企業として初めて高度100km以上の宇宙空間への到達を成功させた。民間のスタートアップによる宇宙開発を象徴する出来事と言えるだろう。

イーロン・マスク氏がCEOを務めるSpaceXや、同社の創業メンバーが立ち上げたVector Launchなど、宇宙開発で大きな存在感を示すスタートアップはアメリカに集中しているが、ヨーロッパ・アジア・オセアニアなどの各地域にも成長著しい企業が存在する。
ロケットの打ち上げや人工衛星の分野において、今後の成長が見込まれる世界各国のスタートアップ5社を紹介しよう。

 

中国:LandSpace

設立:2015年 累計調達額:7490万ドル

LandSpaceは中国の精華大学発ベンチャー企業。2018年10月27日に運搬用ロケット「朱雀1号(ZQ-1)」を打ち上げ、中国の民間企業として初めての成功を果たした。液体酸素とメタンを用いたロケットエンジンの開発に注力しており、2019年5月18日には、80トン級のロケットエンジンTQ-12の試験に成功したことを報告している。

フィンランド:ICEYE

設立:2012年 累計調達額:6510万ドル

フィンランドのICEYEは観測用の人工衛星を開発している。悪天候時や夜間にも観測可能な合成開口レーダー(SAR)を搭載した人工衛星ICEYE-X2が2018年12月3日に打ち上げられ、その1週間後には観測イメージを公開した。ICEYEはSARデータの市場提供や活用も行っており、2019年1月には違法漁業や海賊行為を追跡する取り組みを発表している。

 

イギリス:Orbex Space

設立:2012年 累計調達額:6510万ドル

イギリスでは政府が宇宙スタートアップを積極的に育成しており、2021年の打ち上げを目指して小型ロケットを開発するOrbex Spaceも支援を受けている。設計から打ち上げまでをすべてヨーロッパ内で行うことで、物流の簡略化やコスト削減を図っており、二酸化炭素の排出量が少ない燃料を使うなど、環境に配慮した取り組みが大きな特徴だ。

 

オーストラリア:Gilmour Space Technologies

設立:2012年 累計調達額:2400万オーストラリアドル/約1667万ドル

オーストラリアとシンガポールに拠点を置くGilmour Space Technologiesは、小型衛星を打ち上げるための低コストなロケットを開発している。複数の燃料を使用するハイブリッドエンジン技術を用いることでコストを削減し、2021年までに400kg未満の衛星を軌道に打ち上げることを目指している。

 

イタリア:D-Orbit

設立:2011年 累計調達額:630万ユーロ/約713万ドル

イタリアのD-Orbitは、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の問題解決にアプローチする企業。活動を終えた衛星を移動するための推進装置を開発し、2017年に7月にはそれらを搭載した衛星の打ち上げを完了している。現在は並行して小型衛星(キューブサット)を複数台搭載できるキャリアーとその相乗りサービスを展開し、利用を希望する企業との契約を結んでいる。

(文:淺野義弘)

※各社の累計資金調達額は2019年6月時点での公開情報・為替レートに基づいています。

                    お問い合わせはこちら
FACTの最新記事をリアルタイムでお届けします