DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

DMM.make AKIBAが「ファッション視察」ではないフランスツアーを企画する理由

2016年から始まり4回目の開催となるVIVA TECHNOLOGY。2018年は125カ国から10万人以上が集まる巨大イベントとなった。

これまでフランスと深い関係を持ってきたDMM.make AKIBAは、そのネットワークをスタートアップだけではなく、大手企業に向けて提供する。

その一環として2019年5月13日から19日にかけて、フランスのスタートアップとオープンイノベーション動向を体験できるビジネスツアーを実施。現在、参加を受け付けている
ツアーではビジネスツアーにありがちな視察や見学中心ではなく、現地の企業担当者とのディスカッションや商談を重視した内容になっている。

現地では現地グローバル企業のオープンイノベーション担当者からアクセラレーターや、注目のスタートアップとのミートアップや商談ができるほか、欧州でも最も重要なテクノロジー系イベントの一つである「VIVA TECHNOLOGY」の視察も含まれている。

新しいビジネスやオープンイノベーションを加速させたい企業にとっては、貴重な体験になることは間違いない。

ハードウェアにおいては、アメリカのCESやSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)が有名だ。
一方で欧州に目を向けるとオープンイノベーションはもちろんのこと、日本と同様の人口減少などの社会問題を抱える欧州のエコシステムは学ぶべきことが非常に多い。
その中でも、「スタートアップが活動しやすいヨーロッパの都市ランキング」において5位にランクインしているパリは、現在の日本におけるオープンイノベーションの課題解決に繋がるヒントが多い。
今回、このツアーの意図と背景について、DMM.make AKIBA(以下、AKIBA)の上村遥子と真島隆大が熱い想いを語った。

フランス、そしてVIVA TECHNOLOGYを選んだ背景とは?

真島「フランス政府が2013年にスタートしたスタートアップ支援プログラム「La French Tech」はこれまでも「FACT」でその動向を都度紹介していますが、フランス国内に留まらずニューヨーク、バルセロナ、ロンドン、そして東京など全世界22カ国の主要都市にその拠点を広げ、現在フランスには1万社を超えるスタートアップが活動しています。
既に実績も多数あり、動画広告のCriteoや、LPWAの一つSigfoxはフレンチテックを通じて世界的に成功を収めています。
また、スタートアップだけでなく多くの大手企業がスタートアップとの協業を加速させ、投資やM&Aが実現しており、今では世界を代表するスタートアップエコシステムとなりました。

AKIBAは2016年にLa French Techと提携しています。以降はフレンチテックに関連したイベントをAKIBAで開催したり、フランスで開催された欧州唯一のIoTイベント「SIdO (Le Showroom de l’intelligence des objets)」にAKIBA会員の皆様をお連れしたりするなど、 相互の関係を深めてきました。

2018年のVIVA TECHNOLOGYにはフランスのマクロン大統領やFFacebookのマーク・ザッカーバーグCEO、Googleのエリック・シュミットCEO、Microsoftのサティア・ナデラCEO、Uberのダラ・コスロシャヒCEOが登壇するなど、アメリカのCESやSXSWに引けを取らない規模に成長している。

今回、こうした縁のあるフランスで4回目の開催となるオープンイノベーションの祭典「VIVA TECHNOLOGY」が5月に開催されます。
VIVA TECHNOLOGYは企業向けの一般的な展示会とは少し異なり、さまざまな大手企業がスタートアップとの協業を披露する場として世界中から注目を集めています。
昨年2018年にはFacebookのマーク・ザッカーバーグを始め、各国の大手企業トップが登壇し、来場者も10万人を超える規模に成長しています。

AKIBAはここに日本のオープンイノベーションが更に加速するためのヒントが隠されていると考えています。一見、「これまでにAKIBAが蓄積してきたネットワークを活かすためのビジネスツアー」というふうに見えるかもしれませんが、今回、AKIBAが作り上げたツアーには、別の目的があり、そこに我々の想いが込められています」

企業向けのビジネスツアーにした理由は?

訪問先の一つである「STATION F」は、駅だった建物をリノベーションした広大なインキュベーション施設。企業の視察は原則的に断っているが、今回のツアーでは特別に視察とミートアップに参加できる。

上村「AKIBAに集まっているスタートアップの皆さんの熱意があるからこそ、直近では大手企業はもちろんのこと、行政機関の方々から、モノづくりを越えたイノベーションを軸とした相談が増えています。

ツアーのターゲットをスタートアップではなく大手企業に設定している理由は、非常に活動的なスタートアップが多く、自身で海外イベントの視察や現地ネットワークの構築を行うケースが多く、アクティブなスタートアップには我々のお手伝いが必要ないことが挙げられます(笑)

ただ、在日大使館から渡航費などを負担頂ける機会を提供する環境や、情報の提供を通じて、スタートアップに積極的かつ継続的に協力していきます」

フランスの大手建設会社Bouygues(ブイグ) グループ本社のイノベーション推進室が運営するデモスペース「ELAB」

真島「上村の言う通り、スタートアップの皆さんにとって、海外イベントが必ず必要な戦術ではない場合もありますし、現地の方々を紹介するだけで十分ということもあります。我々が企業向けにした理由は2つあります。

  1. スタートアップとのオープンイノベーションを行う上でのハードルの多くは企業側にある
  2. スタートアップと大手企業の双方にメリットを産まない「ファッション視察」が多い現状を変えたい

一点目はツアーを企画する前段階で、日本国内のみならずフランスの現地企業やスタートアップの方々から共通して挙がった意見が基になっています。

スタートアップとの協業を行うために、企業側が体質を変化させていく必要があり、それに要する時間は長くかかります。
オープンイノベーションが盛んに見えるフランスでも、未だにその進化の途中というのが当事者たちの認識です。

オープンイノベーションにおいて重要なのは、どちらかが迎合するのではなく対等な関係を築くことが重要です。しかし相互理解を深めたり、対等な関係を構築する必要性を浸透させるための障壁が企業側に多いという実態があります」

上村「二点目は、さまざまな方がAKIBAに興味を持って視察に訪れますが、次のアクションがないまま終わってしまうケースが非常に多くあります。
これは日本だけではなく各国で起きており、我々は「ファッション視察」と呼んでいます。

もちろん、視察を通じて必ず何かに繋がるわけではないと思います。ただ、その割合が多いままでは、視察に来たご自身の時間も無駄にしてしまう可能性があります。その現状を打破するための一つのご提案が、このツアーです。

私達のツアーもファッション視察にはさせません。現地視察に行って色々な刺激があっただけで終わるのではなく、実際に現地で商談を行うぐらいの気持ちや覚悟で参加いただきたい。商談をスピーディにセッティングして、良いディスカッションをする。我々のツアーにご興味をお持ちいただいた皆さんには、以下の図のようなフローをお話しています。

ただ、遊んできただけ、と言われないためにも、現地での商談テーマを掲げることはもちろん、帰国後の社内アウトプットまでご一緒します。
前述した通り、視察しただけで終わるツアーでは、帰国後の変化はあまりないことも多いと聞きます。しかし、今回のツアーはスタートアップや他企業との共創・協業の成功率が1%でも上がることに繋げたいという我々の想いが込められています。時間はかかるかもしれませんが、周り巡って、スタートアップの皆さんに還元されることを期待しています」

真島「2019年は我々が今まで培ってきた様々な海外ネットワークをAKIBA会員の方々を始め、新たな取り組みにチャレンジしている方々にご提供していきたいと考えています。僕らが現地で様々なプレイヤーと直接交渉して得た経験をこのツアーに込めているので、ご参加頂いた方には一つでも成果を持ち帰って頂けるよう全力でサポートしていきたいと思います。また帰国後も、色々な情報をお伝えできるよう準備します」

上村「私はよくAKIBAのことを必要な時、いつでもお力になれる場所として「駅」と表現します。真島からもあったとおり、今後は海外ネットワークをつなぐことで、駅から空港のような場所として、私達自身も進化を続けます。今回、第一弾となるTHE SHIFT tourはフランスですが、今後はカナダ、ドイツ、スイスなど各国のイノベーションにおける活動を学び、実際に現地で商談を行えるものにしたいと思います。皆さん、フランスでお会いしましょう!」

【La French Tech公認】THE SHIFT tour ~VIVA LA FRANCE~

今回ご紹介したツアーの詳細はDMM travelの専用サイトをご覧ください。
お申込み・お問い合わせは、DMM travel、DMM.make AKIBAお問い合わせフォームからご連絡下さい。

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真島 隆大
グローバルマーケティング&セールス プロデューサー スイスで幼少期を過ごしイギリスの大学を卒業後、帰国。人材、イベント代理店を経てゲーム業界でオフ・オンラインマーケティングに従事。DMM.make AKIBAでは営業、マーケティングをはじめ、海外事業を担当。
上村遥子
DMM.make AKIBAでのコミュニティの活性化を担うコミュニティマネージャーと、スタートアップのリアルを伝えるエバンジェリストを兼務。フランス語を得意とし、FrenchTechとのコラボレーションやフランス語圏との案件も担当している。
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