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新規事業担当者なら知っておきたいハッカソンの作法シリーズ―そのハッカソンの「目的」は何か?

アイキャッチ

ハッカソンとは、主催者が設定したテーマに沿って、個人あるいはチームで短期間に集中して開発した成果を共有する体験・参加型のイベントです。

元々はプログラミングの勉強会がルーツですが、最近では開発した成果を競う形式も頻繁に開催されています。

また、実際に開発はせずにアイデアだけを短期間に考えて、プレゼンテーションするアイデアソンという形式もあります。

企業の新しい取り組みとしてハッカソンを主催するケースも増えていますが、テーマや開催形式など考えるべき事が非常に多く、その全てを誰にとっても満足できる形で設計するのは至難の業です。

そこで企業がハッカソンを手掛ける際に把握しておくべき知識やポイントについて連載形式で紹介します。

すべてのスタートは「目的設定」から

DMM.make AKIBAではハッカソンの企画から運営までを広くサポートしており、多くのクライアントさんが相談にいらっしゃいます。私たちは予算や期間などの条件をヒアリングしながら一緒に進めていくのですが、企画を持ち込まれた最初の段階では、ハッカソンの動機やゴールがはっきりしていない相談も少なくありません。

「ハッカソンをやると何か良い結果が得られるらしい」という認識だけが先行していると、とにかく「ハッカソンをやること」自体が目的になってしまいがちです。

その状態では意味のあるハッカソンにはならず、仮に実施できたとしても曖昧な内容になってしまったり、求めていた結果が出なかったりします。

その結果、当初期待していたようなアイデアやプロトタイプが出なかったなど、主催者がハッカソンという形式をうまく活用できない形で終わることがあります。

まずはハッカソンの目的をはっきりさせることが重要です。

ハッカソンを企業が実施する目的

ハッカソンの目的は、おもに「事業創出」「社内/社外交流」「自社及び製品のPR(ブランディング)」の3つに大別できます。目的によってテーマやプログラムの内容、どんな参加者を集めるかなどが大きく変わってくるので、このうち一つか二つに焦点を絞っていくことがとても重要です。。

事業創出を目的としたハッカソンでは、普段の開発プロセスとは異なる立場にいる人々の視点を取り入れることで、新規性の高い事業へのヒントを獲得できます。社外人材が参加するハッカソンでは、普段の開発では接することの少ない学生や、異業種の社会人からの意見に触れられることに新鮮さを感じるといったケースもあり、市場調査の一環として捉えられる場合もあります。

一方、社内交流を目的としたハッカソンは、事業部を横断した交流に重きを置くことで、普段接していない自社の技術をそれぞれの社員が深く知る機会にもなっていきます。また、ハッカソン中にはアイデアの発想法や思考法、開発のスタイルを体験して学ぶことができるので、それらがもたらす教育的な側面に着目するケースもあります。

自社製品のPR手段としてハッカソンを利用すれば、企業側が一方的にティーチングするだけの体験会ではなかなか得られない、リアルな意見を収集することができます。
例えば参加者が自分たちの作りたいものを作るなかで、製品の課題や想定していなかった使い方が参加者から集まります。そうして完成したハッカソンの成果物は、いわばユーザーからのフィードバックの塊と言えるでしょう。

企業の目的と参加者のメリットを翻訳する

ハッカソンの目的がはっきりしたら、それを前提にして企画を詰めましょう。

ここで重要になるのが、そのハッカソンが参加者にとって、どのようなメリットがあるかを考えるということ。

特に、社外人材が参加するハッカソンは、企業と利害関係のない外部の人が参加します。そのため、企業の立場で考えたハッカソンの目的が、参加者の立場から見たらどのようにモチベーションを刺激するものになり得るのか、うまくバランスが取れるように細部を調整していく必要があります。

メリット

事業創出がゴールの場合、イベントで生まれた事業アイデアは企業に帰属するケースが大半です。そのため、参加者にはある種の割り切った謝礼として、優勝賞金を高めに設定するなどのインセンティブが必要になるでしょう。
また、事業創出に資するアイデアが出るよう、メンターを手厚くしたり、提供する工具や設備を充実させたり、製作の時間を長くとるなどのサポートが必要になります。

DMM.make AKIBAの場合、テーマに沿って必要になりそうなものがあれば、私たちと繋がりがある企業に声を掛け、素材・備品の提供やメンターとして参加していただくこともあります。

交流に主眼を置くのであれば、人脈の広がりや懇親会の楽しさを増やすような準備が必要になります。知名度の高い審査員をゲストとして迎えるのも効果的です。

また、製品PRの場として、とにかく触ってくれる人に多く来てほしいのであれば、あえて賞金を高く設定せず、とにかく楽しむことに主眼を置いたプログラムを考えても良いでしょう。

ハッカソンの温度感がうまく伝わらず、企業の目的と参加者のニーズのミスマッチが起きると、どうしても参加者の満足度は低くなってしまいます。どんな人に来てほしいハッカソンなのかをしっかりと考え、事前の告知で正確に雰囲気を伝えることで、いかに設定したテーマに合う参加者を集められるかが重要です。

企業として達成すべき目的をしっかりと掘り下げ、さらに参加者のモチベーションを考慮することで、はじめて「なんとなくのハッカソン」から脱却した、意味あるイベントに繋げることができます。

次回は、特に事業化を前提にしたハッカソンでは見過ごすことのできない、知的財産権についてお話します。

(聞き手、編集:淺野義弘)

 

 

イベントの企画から運営までサポートします

DMM.make AKIBAでは、記者発表会やワークショップ、ハッカソンなどさまざまなイベントでDMM.make AKIBAがご利用いただけます。

また経験豊富なスタッフが企画からサポートし、イベントの実施・運営をトータルで支援します。

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渡邉仁史
テックスタッフとしてワークショップや講座、他企業共催ものづくり系イベント(ハッカソン等)の企画・運営等をこなす。慶應義塾大学卒。
中澤聖子
DMM.make AKIBAのイベントディレクターとして、大型イベントから小規模のセミナー・ワークショップまで、各種イベントの運営や企画受託案件を担当している。
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