DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

DMM.make AKIBAから羽ばたいたスタートアップ

2014年11月のオープン以来、多くのスタートアップ、企業、個人のお客様がDMM.make AKIBAをご利用いただいています。

今では多くのメディアに取り上げられたり、たくさんの賞を受けているような有名スタートアップでも、ほんの数年前はプロトタイピングを繰り返すアーリーステージとしてAKIBAに入居していた人たちがいます。今回はその中から、no new folk studio、Gatebox、Dmet Products、FOVEの4社にスポットライトを当てて、ご紹介したいと思います。

 

no new folk studio

スマートフットウェア「Orphe」

 

no new folk studio(nnf)は、「日常を表現する」をコンセプトに、約100個のフルカラーLEDやリアルタイム9軸センサーなどを搭載してリアルタイムに足の動きを解析して光や音に変換するスマートフットウェア「Orphe」を開発するスタートアップです。

 

nnfと私が最初に出会ったのは、2014年DMM.make AKIBAの立ち上げ準備中のことでした。

当時の西麻布のオフィスに菊川さん(nnf代表取締役 菊川裕也氏)が来訪されて、「こういうものが作りたいんです」と、コンバースのスニーカーのソールにLEDテープを巻き付けたものを見せてもらいました。これがOrpheの原型ともいえるプロトタイプで、それを小笠原さん(ABBALab 代表取締役小笠原治氏)がご覧になったのが始まりだと思います。

当時菊川さんはスペインから帰国されたばかりで、「光と音で表現ができるスニーカーが作りたいんだ」とおっしゃっていました。

 

その後nnfはABBALabからの投資を受けて、DMM.make AKIBAオープン当時から入居していました。当時勤務されていた大手電機メーカーを退職された金井さん(nnf共同創業者兼CTO 金井 隆晴氏)が、ここのスタジオにある機材を最大限利用して今のOrpheの原型となるプロトタイピングを進めていらっしゃいました。

 

Orpheの特徴でもあるソールの部分もCNCでマスターを作り、真空注型機でコピーを作ったり。AKIBAの技術顧問である阿部が、Orpheに組み込むバッテリーの位置などのアドバイスをしていたとも聞いています。

 

スマートシューズフレームワーク「ORPHE TRACK」

 

その後nnfは2016年のCESで大きな注目を集めてブレークしましたが、発表以降も様々なイベントや展示会にも出展しています。CES2018で発表したスマートシューズフレームワーク「ORPHE TRACK」も、話題になりました。

 

あと、nnfはメディア取材も多くて、「王様のブランチ」とか「ぶらり途中下車の旅」とか、有名なテレビ番組がAKIBAに来て取材撮影していたのも思い出深いです。DMM.make AKIBAと共に成長してきたと言ってもいい、いろいろな意味でAKIBAを代表するスタートアップです。

 

Gatebox

https://www.youtube.com/watch?v=nkcKaNqfykg

コミュニケーションロボット「Gatebox」

 

Gateboxは、ホログラムのようにキャラクターを出現させ、コミュニケーションすることができるバーチャルホームロボット「Gatebox」を開発するスタートアップです。

 

Gateboxは「俺の嫁召喚装置」とも呼ばれ、オタクの夢を現実にするプロダクトです。

彼らもAKIBA立ち上げ準備中の西麻布のオフィスに来ていました。Gateboxがまだウィンクルという名前の会社で、武地くん(GateboxCEO 武地実氏)と安川さん(Gatebox取締役 安川尚宏氏)、当時まだ高校生だったプログラマーの吉開くんの3人だけでやっていました。

 

彼らもオープン時からDMM.make AKIBAに入居していたのですが、当初はGateboxとは違う、別のプロダクトを開発していました。スマートフォンのジャックに鳥の形をしたデバイスを挿し、専用アプリから光らせて人とつながることができるスマホアクセサリー「AYATORI」というもので、クラウドファンディングも成功し、プロダクトアウトまでしましたがうまく軌道に乗せることができませんでした。

 

そんなある日、武地くんが「実はちょっと新しいことを考えているんです」と話かけてきました。話を聞くと、プロジェクターと透明なフィルムを使ってホログラム映像を映し出そうと試行錯誤していて、キャラクターとコミュニケーションできる機械を作りたいということでした。私が「ウインクルはどこに向かって行くの?」と聞くと、清々しい表情ではっきりと「僕が行きたいところです」と言い切って(笑)。あれは武地くんの覚悟と決意だったのだと思います。

 

オリジナルキャラクー「逢妻ヒカリ」

 

この好きなキャラクターと暮らしたいという武地くんの願望を形にしたのがGateboxです。

AKIBAで試作を繰り返しながら、「嫁とは」という議論をメンバーと朝まで続けている。「キャラクターに靴下を履かせるのか履かせないのか」というディテールまで、みんなで徹底的に議論する。オリジナルキャラのヒカリちゃんに何をさせるかというのは、Gateboxのみんなの夢なんですね。

 

そんなGateboxもその後メンバーが順調に増えて10人を超え、調達なども無事に終わり、AKIBAを巣立つ日がやって来ました。

その最終日に、私が打ち合わせから戻るとメンバーがみんなで待っていてくれて、一緒に写真を撮りました。それが、とてもうれしかったです。オフィス移転後も、一部の会員登録を残してAKIBAの機材を使ってくれたり、イベントに顔を出したりしています。

 

Dmet Products

https://www.youtube.com/watch?v=Ls-dz4cBcZs

モーションセンシングデバイス「SoundMoovz」

 

Dmet Productsは、センサーを組み込んだリストバンドを手首や脚に付けて踊るとスマートフォンから音が鳴るモーションセンシングデバイス「SoundMoovz」を開発しています。関西の鉄鋼商社「阪神メタリックス」の新規事業部門からスタートして、イントレプレナーとして創業しました。

 

代表の太吾さん(Dmet Products CEO 楠太吾氏)が、新しいプロダクトを開発するためにはAKIBAのような環境に身をおきたいと、ここに入居するために本社を説得したそうです。太吾さんは元々ダンサーで、そこからSoundMoovzの着想を得られたようですが、大学で学ばれた機械工学関係以外のエンジニアリングはすべてゼロから勉強されたと伺っています。

 

ニノサイバーパルのニコ・ニコリッチ氏(右)とDmet Productsの楠太吾氏(左)。DMM.make AKIBAで開催された製品発表会にて

 

Soundmoovzは海外展開から始まりましたが、そのきっかけとなったのはDMM.make AKIBAのイベントでした。

ニノサイバーパルのニコ・ニコリッチさんという会員の方が太吾さんのデモを見て、その可能性に魅力を感じ、その場で声をかけられたそうです。ニコさんがおもちゃ業界に詳しく、マーケティングにも強いということ、そしてニコさんを通じて海外のおもちゃ業界にコネクションを持っているエージェンシーと契約できたのが転機だったようです。そして海外ディストリビューターと繋がるきっかけを得て、あっという間にイギリスやアメリカ、ヨーロッパなど世界17カ国で40万台以上出荷する大ヒット商品になりました。

 

私自身、どんなプロダクトを開発しているかは知っていたものの、その進捗状況はほとんど知られていませんでした。それがある日突然「実は17カ国で40万台出荷することになりました。ビックリでしょ?」と太吾さんに言われて。本当にビックリしました(笑)

 

Dmet Productsも事業拡大に伴って順調にメンバーが増え、オフィスを構えることになりAKIBAのTeam roomを卒業していきました。いまも一部の会員登録を残してくれていて、Studioでの作業をメインにAKIBAを活用してくれています。彼らもAKIBAの設備や機材を徹底的に使っていたのが印象的なスタートアップです。

 

FOVE

https://www.youtube.com/watch?v=LNtu5sbrzEA

視線追跡型VRヘッドセット「FOVE」

 

FOVEは、視線追跡型VRヘッドセット「FOVE」を開発するスタートアップです。

スタートアップは開発のスピードが速いというのが特徴なのですが、FOVEは本当に彗星のように現れて、AKIBAのオープン1周年のときにはもういませんでした。

すごく動きが速くて、まさにハードウェアスタートアップという印象でした。最初は3人部屋に入居されましたが、すぐに人が増えて6人部屋に移り、そこも手狭になったということで他へ移転されました。

 

初期はFOVE 代表取締役の小島由香さんと最高技術責任者のロックラン・ウィルソンさんが中心で進めておられましたが、当時すでに世界中の注目を集めていて、メディア露出度の高さが印象的でした。小島さんがForbesの表紙を飾ったり、さまざまな媒体で取り上げられたりという躍進を目の当たりにして、AKIBAにいるスタートアップは、きっと自分たちもFOVEのように成長できるはずだと刺激を受けたのではないでしょうか。FOVEはスタートアップらしい、強烈な印象をAKIBAに残していきました。

(聞き手、編集:後藤銀河)

 

 

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境 理恵
光学機器業界を中心にデザイン検討用モックアップ制作やディレクションを手掛けてきた経験を活かし、DMM.make AKIBAの立ち上げから参画。 現在は企画運営のプロデューサーとしてDMM.make AKIBAのリソースを活用した新規事業の立ち上げと、広報に注力している。
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