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DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

美容からIoTインフラまで――注目すべきフレンチテック・スタートアップ7社

CES2018でのフレンチテック関連ブースの様子(撮影:田中佑佳)

2018年1月9日からアメリカ・ラスベガスにて開催されたCES 2018では、エウレカパークに出展したフランスのスタートアップは実に274社と昨年より50%以上も増加しました。これは280社が出展した1位のアメリカに迫る勢いで、60社のオランダ、55社の中国を大きく引き離し、再び世界中を驚かせました。

 

(ソース:http://www.gouvernement.fr/partage/9883-la-frenchtech-au-ces-2018)

 

フランス貿易投資庁ビジネスフランスはCES2018にて、最も優れたスタートアップとして25社を選定し、主催するフレンチテックパビリオンに展示しました。そしてプレスリリースを通じて、「CESに来場するデシジョンメーカーに関心を持っていただけるよう、(出展は)実際に国際的な発展が期待でき、また加速的にビジネス展開が可能な、革新的な企業を優先しました。家電を扱うスタートアップにとって、CESは世界市場への夢を実現する第一歩なのです」と説明しています。

 

今回は、注目を集めているフランスのスタートアップとして、まずCES2018フレンチテックパビリオン展示に選出された25社の中から、Romy ParismyBrainの2社をピックアップしてご紹介します。次にスタートアップからグローバル規模へと急成長を遂げた企業としてDebialetsigfoxcriteoの3社を、そしてフレンチテックのサポート施策のひとつFrench Tech TICKETシーズン1で採択されたスタートアップから香港のBrand-pitを取り上げます。

 

Romy Paris

カプセルをセットしてパーソナライズした化粧品を生成できるFigure formulator

 

Romyは、2012年パリで設立したスタートアップです。

肌のコンディションをスキンケアアシスタントアプリ「Romy Paris」で分析、最も適した成分となるように有効成分の入ったカプセルを選択、「Figure formulator」にセットして基礎化粧品を調合するシステムを開発しています。

 

グローバルな大手化粧品メーカーがひしめき合うフランスにあって、毎朝毎晩、その時の肌のコンディションに合わせてフレッシュかつパーソナライズしたスキンケア化粧品が数秒で調合できるという特徴を打ち出し、2016年に製品発売、2017年にポップアップストアをオープンし、人気を博しています。開発に5年をかけて9つの特許を取得しており、まさにフランスらしい美容グッズと呼べる製品を提供しています。

また、同社はCES Innovation Awardも受賞しています。

個々の趣味・趣向や身体的な状態にあわせてカスタマイズされた体験を提供するIoT製品が増えています。

企業が消費者のニーズを見極め、あらかじめ完成された製品とブランドを提供するこれまでののスタイルから、Romyのような消費者自身の日々のニーズに寄り添ったパーソナライズ製品を提供するIoT製品が市場を活気づけていると感じます。

 

myBrain

脳波を計測するセンサーを組み込んだヘッドセットと、ストレス状態を緩和する音楽を再生するアプリで構成されるmelomind

 

myBrainは、ストレスコントロール用プロダクト「melomind」を開発しているスタートアップです。

世界有数の神経科学の研究機関である脳神経脊髄センター (ICM) との共同開発によるもので、最新の脳神経科学を応用したシステムです。脳波計を組み込んだEEG(Electroencephalogram:脳電図)ヘッドセットを装着し、リラクゼーションにもっとも関連するニューロマーカーを測定、アシスタントアプリがストレスを緩和するためのサウンドトレーニングを実行します。セッションで流れる没入型のサウンドは、脳がもっともリラックスするよう、専門のサウンドデザイナーによって制作されたものです。スタイリッシュなデザインのヘッドセットで、周囲の目を気にすることなく、どこでもリラックストレーニングが実施できます。

 

myBrainは従業員のストレス・コントロールを検討している企業への導入や、カウンセリング・サービスを提供するコンサルタントなどを対象としたB2Cビジネスへの展開も進めています。

脳神経学などの専門的な医学とIoT今後より身近なものになっていくと思われます。

 

Devialet

コネクティッドスピーカーとは思えない美しいデザインと常識を覆す重低音再生でオーディオマニアも唸らせたスピーカーPHANTOM

 

Devialetは、2007年パリで設立された音響機器を開発するスタートアップです。

代表的なプロダクトはスピーカーシステム「Phantom」で、独自のADH2(アナログ・デジタル・ハイブリット)技術を使い、25cmほどの小型ボディから音圧101dB、ピーク出力1200Wという一般のスピーカーとは異次元の音楽再生を実現しています。その洗練された高いデザイン性も高く評価され、2017年秋にはパリのオペラ座(ガルニエ宮)に常設展示スペースを設置しています。

 

世界的に注目を集めているDevialetには、前回ご紹介したStation Fの創始者としても知られるフランスの投資家Xavier Niel氏も出資しています。これまで204億円の資金調達に成功し、2018年には日本でも本格展開を開始します。

 

百聞は一見にしかずと言いますが、オーディオ製品の良さを理解するには実際に体験してみることベストな方法です。Phantomはオーディオ・マニアだけでなく一般消費者でも、その音質や音量、仕組に驚くと思います。

Devialet自身も実際に体験することに重きを置いていて、資金調達後は各国の主要エリアにショールームを作り、戦略的にマーケティングを推進しています。

CES2018では、ソフトウェア側のテクノロジーを優先したスマート・スピーカーの対抗馬として、ハイエンドな音質やパワーにこだわるユーザーをターゲットとした新製品IoTスピーカー「Devialet Inside」を発表しました。

Devialet Insideは小売店などで販売するのではなく、世界中のコンテンツホルダー企業との提携を狙い、パートナー企業のニーズにカスタマイズされたスピーカーとして販売する予定とのことです。

今後はアメリカ、中国を皮切りに展開していくようで、日本でのビジネス展開はパートナー募集中とのことです。

 

Sigfox

IoT製品になくてはならないインフラストラクチャーとして注目を集めている無線通信ネットワーク「LPWA(Low Power Wide Area)」のひとつにsigfoxがあります。

低消費電力で広域エリアをカバーできるという特徴を備えたsigfoxは、実は2009年に設立されたフランスのスタートアップです。

最近ではインフラにSigfoxを使用していることを、ロゴを掲載してPRするIoT系の企業も少なくありません。

世界的なIoT化の波に乗り、今では世界36カ国以上でサービスを提供し、日本ではKDDIや京セラコミュニケーションシステムが事業者となって展開するまでに成長を遂げています。

 

Criteo

少しIoTとは外れるが、フランス初のスタートアップとして忘れてはいけないcriteo

をご紹介します。

皆さんはニュースサイトなどを閲覧しているときに、ぐるぐる動く商品バナーが差し込まれているページがあることにお気づきでしょうか?これは動的リマーケティングと呼ばれるもので、利用者のWeb閲覧履歴などをもとに一人一人に合わせたバナーを配信する仕組みです。

この今ではよく見かけるようになったアドテクノロジーサービスを提供しているのは2005年パリで設立されたcriteo。機械学習を取り入れた先見的なアドテクノロジーを駆使してYahooとも提携し、そのトップページに展開するcriteoの動的バナーは誰もが知るところとなりました。今ではコマースマーケティングにおけるグローバルリーダーとも呼ばれ、その時価総額は270億ドルに達し、フランスでは2000年以降最も成功したIT企業と言われています。今ではメガベンチャーに近い規模まで成長しています。

 

Brandpit

香港を本拠地とし、SNSを活用した新たなマーケティングサービスを提供するBrand-pitは、フランス国外のスタートアップを支援するフレンチテックのプログラム「French Tech Ticket」シーズン1に採択された中で、唯一日本人の共同創業者がいる企業です。

 

Brand-pitはフレンチテックプログラムに関して、「日本では会社の登記だけで3~4カ月かかったのに、フランスではeメール1本送るだけ、気が付いたら完了していた」と語っています。フランスに活動拠点を置くことに関し、グローバル展開を加速する上でインキュベーターの豊富さやFrench Tech Ticketが提供するメリットは、フランスを活動拠点とするために大きな助けとなったようです。

 

【番外編】LoveBox

CES2018での展示の様子(撮影:田中佑佳)

 

CES2018にも出展していた愛oT製品。愛を伝達するプロダクトです。

コンシューマー向けIoT製品はインターネットとモノをつなぐことで、新しい経験を提供するのが醍醐味ですが、まさにフランスらしいアイデアです。

スマホなどで簡単にやりとりできるようになった今、メッセージにあえてモノを介入させ、愛をデジタルとモノで伝達するという経験を提供できるプロダクトとしています。

 

(撮影:田中佑佳)

 

メッセージを専用アプリから送ると、相手先のLOVEBOXにメッセージがきていることを可愛くお知らせします。受け取り手で想定される女性などが喜びそうなデザインで、外装にはあえて木を使うことで暖かさも感じられるこだわりの製品。女性をターゲット層にする製品はまだまだ少ないので、こうした製品の可能性はとても大きいと思います。

 

 

DMM.make AKIBA 企業向けサービスについて

DMM.make AKIBAでは企業向け会員プランをご用意しています。スタートアップとのマッチングを支援するイベントや、IoT時代を切り拓く人材を育成する研修プログラムも提供しています。

施設の見学や説明会も随時実施しています。まずはウェブサイトからお問い合わせください。

 

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上村遥子
DMM.make AKIBAでのコミュニティの活性化を担うコミュニティマネージャーと、スタートアップのリアルを伝えるエバンジェリストを兼務。フランス語を得意とし、FrenchTechとのコラボレーションやフランス語圏との案件も担当している。
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