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【PR】ビジネスパーソンが知るべき「産業IoT」のトレンド

※本記事はIoT検定を実施する「IoT検定制度委員会」の事務局運営をするサートプロの提供によるPR記事です

「IoT(モノのインターネット)」という言葉がテレビ・新聞のニュースで聞こえるようになり、今や「バズワード」とまで言われることもある。

IoTとは、その言葉のとおり、「モノがインターネットでつながる」技術の総称である。あるモノに関するあらゆる情報をセンサーと無線を用いてインターネット上のデータベースに情報収集し、その情報を生かして世の中の産業やインフラ、製品・サービス、人の生活などに変革を起こす手段として、注目が集まっている。現在は、実証実験を終え、市場投入されている製品やサービスが登場してきており、ようやく“脱バズワード”化の兆しが見えてきた。

またIoTは高度なテクノロジーのカタマリである。そしてIoTの仕組みを作り上げるには、さまざまな道のプロたちがスピーディーに連携を取らなければならない。またそこに携わる人材については、従来とは異なる知識習得や育成手段が必要である。

IoTにおいては製造業や建設業など産業分野での活用、いわゆる「産業IoT」の事例がよく見られる。今回は、自らもファストセンシングで産業IoTに取り組み、DMM.make AKIBAのエヴァンジェリストでもある岡島康憲が、産業IoTの動向や課題への取り組み方について解説する。

 

ビジネスをモノ売りからコト売りへシフトさせる産業IoT

IoTのユースケースとして注目すべきは、産業現場での利用である。センサーやクラウドなどを活用したIoT技術は、今やさまざまな産業現場で当たり前の存在になりつつある。

ここで岡島が注目する2つの産業IoT事例を紹介する。1つ目が国産重機メーカーの大手 コマツによる「KOMTRAX」である。KOMTRAXは、全世界で40万台以上(2015年時点)の重機に搭載されている。

KOMTRAXは、顧客の現場で稼働する重機を24時間遠隔で監視し、適切なタイミングでメンテナンスを実施する、サポートサービスである。重機に搭載されたGPSやセンサーのデータを活用し「顧客の現場で、正常に動作しているか」を24時間365日監視する。

例えば重機が故障する予兆が検知された場合は、コマツのサポートスタッフが現場にすぐかけつけて、先回りした修理などの対応、いわゆる「予知保全」が可能だ。また日本ではあまりないが、海外でよく起こる重機の盗難については、重機のデータから検知することが可能だ。さらに重機の稼働状況のデータから、重機の効率的な活用を提案することもできる。

つまりコマツは、これまでの「重機そのものを販売する」ビジネスに加え、「重機を使ってもらい続ける」ビジネスである「重機運用コンサルティングサービス」も展開しているのだ。まさに、「顧客をコマツから離れられなくする」サービスであるといえる。

もう1つはドイツが本社であるコンプレッサー専業メーカー KAESER KOMPRESSOREN(ケーザー)による「シグマ・エア・ユーティリティ」である。こちらは、顧客の現場に設置されたコンプレッサー(圧縮空気を送り出す装置)が生み出す圧縮空気の量に応じて課金するサービスである。このサービスは、ERPベンダーの大手であるSAPと協業して実現している。

圧縮空気の利用量を検知するセンサーが、顧客が使った圧縮空気の量を計測し、その量に応じて料金を請求する仕組みだ。コンプレッサーの装置費用を格安に抑え、電気代やメンテナンス料金も含めた全ての維持費を「圧縮空気料金」に含む形になっている。

従来のコンプレッサーは顧客が機器を購入および設置、メンテナンスまで行うことが通常だった。一方、このサービスでは、機器の企画から設置、運用、保守、修理まで全てケーザーが担当する。顧客は、利用量と、それに応じた月額料金のみを気にしていればよい。

すなわち産業IoTは、従来のモノ(装置や製品)そのものを販売するビジネスモデルから、コト(サービス)を販売するビジネスモデルへと変革を促す役割を担っているといえる。

 

「インダストリー4.0」と「デジタルツイン」とは

産業現場のIoT化による大きな動きが下記である。「インダストリー4.0」「デジタルツイン」という2つのキーワードが挙げられている。

  • 受注から販売などの「全行程(工場のビジネス全体)の最適化」を目指す「インダストリー4.0」
  • 「デジタルツイン」により変わりつつある製造ラインや製造現場

インダストリー4.0とは2011年11月にドイツ政府から公布された施策であり、「第4次産業革命」を示す。蒸気機関の誕生による大量生産や高速輸送の時代の訪れが「第1次産業革命」、モーターによる動力や制御技術が発展した「第2次産業革命」、そしてIT技術によるオートメーションや省人化の時代「第3次産業革命」である。それに続く第4次産業革命とは、IoTやAI(人工知能)、ビッグデータ、クラウドといった技術による産業の幅広い大変革を示す。

その基盤は「サイバーフィジカルシステム(CPS)」である。つまりサイバー(コンピュータの中)とフィジカル(現実、実機)をつなぐ仕組みである。そこで生成するデータの集合モデルのことをデジタルツイン(デジタルの双子)と呼ぶ。デジタルツインでは、センサーなどを活用して現実世界や実機から得られた情報から、現実世界とそっくりな空間をコンピュータの中に再現する。

 

「デジタルツイン」により変わりつつある製造ラインや製造現場

まず産業IoT適用のステップについて説明していく。まず、産業の現場は複数の工程がつながって成立する。また、それぞれの工程は違うチームや人が担当している(図1)。

図1:よくある工場の現場の工程

IoT化のはじめの一歩として(図2)、「モジュールA組み立て工程」においてIoTを適用することで、組み立てを大幅に効率化させる取り組みがある。この工程においては、限られた人的リソースで大きなアウトプットを生み出す効果が見込めるだろう。しかし、その他の工程は効率化されていないので、全体的な効率はそれほど高まらないと考えられる。

図2:工場現場における「1つの工程」のみのIoT化

それでは、その他の工程にも全てIoT化をしたとしたら、どうなるか(図3)。当然、現場の工程全体は効率化される。また「全ての工程において、デジタルデータとして管理」していることを示す。そして、これが産業IoTにおける成功例としてよく語られるパターンでもある。

図3:それぞれの工程を個別にIoT化

しかし「全ての工程」といっても、あくまで「工場での製造工程」だけにとどまる話であり、「ビジネス」全体では工程の一部にすぎないのである。すなわちこれは、インダストリー4.0とはいえない(図4)。

図4:ビジネスの中での「製造工程」はごく一部である

すなわち製造の前後にある、受注やアフターサポートなどの工程まで含めてIoT化し、「全拠点の、全工程の状況」を、CPSによってインターネットを介して共有することが、真のインダストリー4.0である(図5)。

図5:「製造工程」の前後もIoT化

そして日本国内で語られる産業IoTの概要や事例の多くが製造工程のみのIoT化である。つまり大抵が「インダストリー4.0未満」ということになる。製造現場だけIoT化しても、ビジネス面での効果は限定的な範囲にとどまってしまう。

そう考えていくと、インダストリー4.0は広大で、資金が潤沢な一部の大手企業にしか手が届かない、広大な世界のようにも思えるが、決してそういうわけではない。むしろ効率化による伸びしろが期待できる中小企業こそが取り組むべきなのである。最初は製造工程からのスモールスタートでOKであり、それ以降に前後の工程も視野に入れて計画すればよいだけの話だ。また適用する仕組みそのものも、安価なシステムを選定しても実現できるケースも十分ある。

 

「デジタルツイン」により変わりつつある製造ラインや製造現場

デジタルツインは、インダストリー4.0におけるツールの1つである。デジタルツインにおいては、製品の設計と、その製品の「製造ライン」を3Dデータによってコンピュータの中「デジタルの工場」として再現する。製造ラインのシミュレーションもコンピュータの中で再現できるため、現実の工場設備を使う手法に比べ、設計した製造ラインが問題なく稼働するかを、より低コストに確認できる。

コンピュータの中の環境であればさまざまな条件で何回も仮想実験が行え、仮想的に何度も製品を破損させることも可能だ。またVR(仮想現実)技術を活用することで、フラットなディスプレイ越しではなく、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が見せる立体空間に没入しながら、「デジタル工場」を歩いて回ったり、装置を確認したりが可能になる。その結果、実機を作らなくても、実機確認と近い感覚での問題の洗い出しが行え、その結果として工場設備設計の大幅な納期短縮やコスト削減につながる。

デジタルツインの技術は、3Dデータ技術の先進国である欧米・欧州がやはり強い。デジタルツインに関しては、大手3D CADベンダーらによる欧米・欧州発の事例が多数公開されている。デジタルツインを実現する3Dデータ関連のシステムは、中小企業であっても手の届きやすい価格帯のシステムも登場してきている。いまはハイエンドである技術が、近い将来にローエンドなシステムへと組み込まれていく動きにも十分期待できる。

 

産業IoTを実現する、コンセプト検証の重要性

産業IoTの適用においては、コンセプト検証が非常に大事である。コンセプト検証とは、あるアイディアについて仕様を決定する前に、「市場や顧客に本当に受け入れられるか? 本当に便利か?」「技術的に実現可能か」などを検証することである(図6)。

自社設備のIoT化を目的としたアイディアであれば、「現場の作業環境、作業効率改善につながるか?」を検証する必要がある。国内の企業においては、技術面は周到に確認するものの、利便性や市場性の確認は忘れてしまいがちである。

図6:コンセプト検証におけるフロー

図7は、コンセプト検証におけるサイクルを示す。最低限の試作品を“早く安く”製作し、ターゲットユーザーに実際に使ってもらって試す。そしてその結果をまた仮説に戻し、また試作品を試す。そのサイクルを素早く繰り返しながらコンセプト検証を煮詰めていく。いわゆる、ソフトウェア開発における「リーンスタートアップ」の考え方であり、ハードウェアにも適用することが可能である。

図7:コンセプト検証のサイクル

ここでいう試作品は、製品に近いモノを用意する必要性は全くない。コンセプトの検証さえきちんと実施できればよい。つまり、部品やディスプレイがむき出しになったもの、紙や3Dプリンタで製作する外観だけのモックアップ、あるいは付箋紙に手描きで書いたもので構わないのである。

今や、最低限の試作品を製作するためのさまざまなツールが身近に存在する。IoT製品やサービスを作り上げるためには、それらを活用して最低限の試作品を早く安く作るためのチーム作りや環境整備に取り組むことが重要である。

 

IoTビジネスに携わる全てのビジネスパーソンに向けた「IoT検定」とは

2019年7月18日にDMM.make AKIBAで開催された「IoT検定プロフェッショナル・コミュニティmeetup #1」の様子

IoT検定制度委員会では、IoTに関わる知識やスキルを可視化し、一層IoTを普及させることを目指し、そのための人材育成や教育に取り組んでいる。

IoT検定の内容は、技術的な視点だけでなく、マーケティングおよびサービスの提供、ユーザーの視点から必要となるカテゴリ、スキル要件まで包括する。検定に向けて学習を進めていくことで、今IoTに取り組んでいる人も、これから取り組もうとする人にとって必要な知識やスキルを効率よく吸収していくことが可能だ。

またIoTのプロである検定合格者と、今後検定受験を検討する人たちとの交流会も実施している。

 

関連情報

IoT検定

■協賛企業

株式会社サートプロ

コムテック株式会社

■イベント後援

DMM.make AKIBA

(取材・文:小林由美)

岡島康憲
DMM.make AKIBAの企画・運営及びエヴァンジェリストを担当。 電気通信大学大学院修了後、ビッグローブ株式会社にて企画運営を担当。 2011年、岩淵技術商事株式会社を創業。自社製品開発やハードウェア商品の企画支援を行う。 2014年よりDMM.make AKIBAにジョイン。 2017年、IoTセンサー向けプラットフォームを提供するファストセンシング株式会社を創業。
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