fbpx
DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

なぜ企業はスタートアップを支援するのか――世界中で導入が進むアクセラレータープログラム

経済産業省が発表した「平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」によると、アメリカでは2000 年以降、特にIT を活用し急速に成長を遂げるスタートアップが数多く登場し、そこで成功した起業家などを中心として、起業と起業家を支える環境(エコシステム)が発展しました。

そうした中で、将来の可能性のある起業家を見出して教育を施すことでその成長を促すアクセラレータープログラムが生まれました。

具体的な定義として、3カ月程度の期間限定で、シード資金と言われるわずかな援助と作業スペースの提供に加え、同期生であるベンチャーや、成功した起業家、VC、エンジェル投資家らとのネットワークの機会を提供するプログラム」だとしています。

導入が進むアクセラレータープログラム

では、なぜ多くの企業がアクセラレータープログラムに取り組むのでしょうか?主な理由として次に挙げる2つの理由があります。

まず、VCがスポンサーとなるアクセラレータープログラムでは、出資したスタートアップが早く確実に成功するよう、ビジネス面・技術面でサポートするという狙いがあります。具体例として、ハードウェアスタートアップを投資対象とするHAXや、テクノロジー企業全般に出資する500 Startupsなどがあります。

もう一つは事業会社がスポンサーとなる場合です。

これは市場環境の変化や技術革新のスピードが早くなっている中で、自社事業の成功率を高めるため、既存事業におけるシナジーの創出を狙ってスタートアップとの出会いの場として、アクセラレータープログラムに取り組むというものです。

こちらは、例えばKDDIが運営する「KDDI ∞ Labo(むげんらぼ)」や、アクセラレータープログラムの主催を希望する事業会社に対して企画や運営などのアクセラレータープラットフォームを提供するcrewwwのような企業もあります。

プロトタイプのブラッシュアップをサポートするDMM.make AKIBA Open Challenge

DMM.make AKIBAも、このアクセラレータープログラムを提供しています。2016年にスタートしたDMM.make AKIBA Open Challenge(以下、Open Challengeは、より多くのIoTスタートアップが製品を世に送り出せるよう、IoTに関する技術やビジネスに精通したサポーター企業が、DMM.make AKIBAとともに、スタートアップの製品プロトタイピングやビジネス設計を3カ月間サポートするプログラムです。

2016年12月に募集したOpen Challenge 1では11チームを採択、2017年3月に募集したOpen Challenge 2では7チームを採択しています。採択されたチームは、そのアイデアやプロトタイプを、企業や投資家などに対するプレゼンテーションの場である成果発表会「Demo Day」に向けてクオリティアップさせることができました。

Open Challengeの卒業生

では、ここでは、これまでの採択チームの中から「OTON GLASS(オトングラス)」、「Trac(トラック)」、「歯っぴ~」の3プロダクトを取り上げ、Demo Day以降の躍進を中心にご紹介いたします。

OTON GLASS

Open Challenge 1で採択されたOTON GLASSは、文字を読むことが困難な人のためにデザインされた「スマートグラス」です。

2017年7月のDemo Day以降、2017年12月には、実際に社会でOTON GLASSが使われたときの課題を洗い出すため、社会実装を目的とした実証実験を行いました。現在は2018年秋には少量生産での実証実験を目指して、プロダクトのブラッシュアップに取り組んでいます。

Open Challenge 1 Demo Dayで、OTON GLASSを説明する島影圭佑氏(写真右)

OTON GLASS代表取締役の島影圭佑氏は、首都大学東京在学時の2013年、父親の失読症をきっかけに、視覚的な文字情報を音声に変換することで「読む」行為をサポートするOTON GLASSの研究開発を始めました。

OTON GLASSの主な受賞歴としては、2017年10月 経産省主催「IoT Lab Selection」準グランプリ総務省主催異能vationプログラム「破壊的な挑戦部門」最終選考通過「Health 2.0 Asia-Japan 2017」「オーディエンス賞」富士通アクセラレータープログラム第5期「ピッチコンテスト」最優秀賞などがあります。

Trac

Open Challenge 2で採択されたprimesap inc.は、「健康を最適化する」ことを目指し、統合的ヘルスフィットネス最適化基盤「Trac」を開発しています。

Tracの具体的な展開として、スポーツ選手の運動能力向上のためのスポーツ解析ソリューション「LiveTrac」、シニア層のQOL向上や安全な見守りを実現するIoTセンサーネットワーク「LifeTrac」、フィールドワーカーの安全管理および作業分析モニタリングソリューション「IndustTrac」などを開発しています。

そして、ひとつの成果としてTracをベースとしたコンディショニング・リハビリテーション支援システムが、東京明日佳病院メディカルフィットネスセンターにて採用される予定です。

Open Challenge 2 Demo Dayでプレゼンする木村岳氏

代表取締役の木村岳氏は、2017年11月のDMM.make AKIBA3周年記念イベントの席上で、「DMM.make AKIBAに2015年2月に入居したときは、ArduinoレベルのPoC(Proof Of Concept:コンセプト実証機)に取り組んでいました。その後AKIBA主催のIntelとのマッチングを機会をいただき、国内外の展示会でのプロトタイプ展示を経て、多くのパートナーや研究者との出会いから、その後の事業展開へとつながっていきました」と、当時を振り返っています。

歯っぴ~

Open Challenge 2で採択された歯っぴ~は、人生100年時代に必要な歯磨きを提供することをめざし、光学機能を内蔵してプラーク(歯垢)を可視化するスマート歯ブラシです。歯ブラシの先端に紫外線LEDとカメラを搭載し、QLF(Quantitative Light-Induced Fluorescence:定量的光誘導蛍光)法と呼ばれる技術を用いて歯垢を可視化し、スマートフォンにリアルタイムで表示するもので、開発チームの代表は、九州大学在学中の小山昭則氏です。

Open Challenge 2 Demo Dayで歯っぴ~を説明する小山昭則氏(左から2人目)

歯っぴ~の主な受賞歴としては、医療機器×グローバルシンポジウム優勝GUGEN2017 大賞福岡市主催福岡100ケア・テックピッチ優勝大阪府主催健康産業有望プラン発掘コンテスト 優秀賞などがあります。

OpenOpen Challenge 3実施中。Demo Dayは2018年夏を予定

そして、第3回となるOpen Challenge 3がスタートしました。

これまで同様、IoT/VR/AIといった先端技術を用いた本気のアイデア、本気のプロトタイプを発掘し、より具体的な「プロダクト」に近づけるための取り組みです。

Open Challenge 3ではサポーター企業として、「こどもチャレンジ」のベネッセコーポレーション、IoTデバイスを集結させたスマートホステル「&AND HOSTEL」を提供するand factory、ソリューションサービス「IoTデザインセンター by ニフクラ」を提供する富士通クラウドテクノロジーズ、IoTやロボティクス機器などのEMS事業も手掛けるPCメーカーのVAIOから参加ご協力いただいています。

Open Challenge 3で採択されたチームは、2018年7月10日(火) DMM.make AKIBA施設内にて、一般向け製作物展示イベント(Demo Day)を実施いたします。

スタートアップと企業が生み出す「本気のプロトタイプ」の熱気を、会場で直接体感してください。

(聞き手、編集:後藤銀河)

https://akiba.dmm-make.com/form/openchallenge/

 

DMM.make AKIBA 企業向けサービスについて

DMM.make AKIBAでは企業とスタートアップをマッチングするイベントや、IoT時代を切り拓く人材を育成する研修プログラムを提供しています。

施設の見学や説明会も随時実施しています。まずはウェブサイトからお問い合わせください。

 

DMM.make AKIBAのウェブサイトはこちら

サービスの一覧及び資料はこちら

お問い合わせはこちら

岡島康憲
DMM.make AKIBAの企画・運営及びエヴァンジェリストを担当。 電気通信大学大学院修了後、ビッグローブ株式会社にて企画運営を担当。 2011年、岩淵技術商事株式会社を創業。自社製品開発やハードウェア商品の企画支援を行う。 2014年よりDMM.make AKIBAにジョイン。 2017年、IoTセンサー向けプラットフォームを提供するファストセンシング株式会社を創業。
                    お問い合わせはこちら
FACTの最新記事をリアルタイムでお届けします