DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

エンジニアとしての最初の一歩をDMM.make AKIBAで学ぶ――エンジニア派遣大手アウトソーシングテクノロジーの狙いとは

DMM.make AKIBA(以下AKIBA)では、10Fにある各種機材を活用し、初級技術者向けに加工技術の基礎を習得できる「機械加工研修」を提供しています。
エンジニア派遣大手のアウトソーシングテクノロジーは、中途採用社員向けの研修の一環として、AKIBAの機械加工研修を採用しています。
導入の背景や近年のエンジニア人材の採用動向について、同社人財戦略本部 技術管理部 執行役員 部長 工藤真人氏に伺いました。

 

約1万人のエンジニアが在籍

――御社の「自動車大学校」の一環として導入されたとのことですが、どのような位置づけとして運用されていますか?

株式会社アウトソーシングテクノロジー 人財戦略本部 技術管理部 執行役員 部長 工藤真人氏

工藤氏「『自動車大学校』は弊社の研修プログラムの名前です。
コースはいくつかあって、例えば自動車関連の設計については、主に中部地区で実施しています。今回、AKIBAで実施したプログラムは中途採用社員向けに、一般的な設計業務に加えて、メカトロ関連の設計業務、具体的には自動車や半導体の生産設備の設計業務などに対応したものになります。

新卒採用については、以前からポリテク(職業能力開発促進センター)を使って、旋盤やNC加工機などの研修を実施していますが、採用人数が流動的な中途採用では利用が難しいところがありました。そこで他に利用できる施設はないかと調査し、AKIBAでの施設を活用させていただくことにしました。

アウトソーシングテクノロジーでは新卒や未経験者の採用数も年々増加しており、現在では技術社員だけで約1万人が在籍する会社になりました※。平均年齢も2012年頃の30代後半から、30才前後まで下がってきています」

※ 在籍エンジニア数9724名(2019年4月14日現在)

 

日本のモノづくりを支えるエンジニア育成が急務

――新卒、中途共にかなりの採用規模だと思いますが、今回の機械加工のような研修を実施されている背景はなんでしょうか。

工藤氏「一言でいうと未経験者の育成強化です。
昨今、少子高齢化や労働人口減少が社会的な問題となっていますが、私たちの業界でもエンジニア不足は大きな課題です。ITやモノづくり業界が日々進化を続ける中で、業界の未来を担うエンジニアの育成は、日本経済の発展につながるものと考えています。

アウトソーシングテクノロジーでは、3年ほど前から、未経験からエンジニアを目指す方の採用・研修強化を開始しました。具体的には、法人向け研修を提供している子会社のKENスクールや、エンジン開発・試験事業を展開するグループ会社のアネブルなどの施設を利用しながら、自社研修によりエンジニアとして育成した上で配属するプログラムを実施しています」

工藤氏「機械系の設計者にとって、設計した形状が本当に加工できるのかは、とても重要なことなのですが、それを単なる机上の座学で教えても伝わらない。実際に設計したものが生産される過程というのは、モノづくりの実務がわからないとイメージが湧かないものです。

大学で機械工学を学んでいれば、旋盤などの実習は経験しています。しかしながら、未経験から設計者になると、自分が設計したものと実際のモノづくりとの関係がイメージできず、実際には作れない形状を設計してしまうようなケースもあります。

そこで、自分が図面を引いたものが実際にこのように作られるということを自らの手で実体験してもらう。これが今回のAKIBAを活用した研修の最大の目的です」

今回の研修プログラム。2日間で機械工作の基礎を体験する内容だ

今回の研修プログラム。2日間で機械工作の基礎を体験する内容だ

――研修の参加者は、モノづくりの経験がない方だということですね。

工藤氏「今回は中途採用の8人が参加していますが、全員モノづくりの経験はほぼゼロだと思います。AKIBAでの研修に先立って、事前に社内研修で機械工学や機械設計の基礎的な研修を行い、AutoCADを使って図面を描いてもらっています。その図面がどのように加工されてモノになっていくのかをイメージできるようになるのがAKIBAでの研修の狙いです」

AKIBAでの研修の様子

――研修に参加された方の感想はいかがでしょうか。

工藤氏「今回で3回目の実施になりますが、これまでのアンケート結果からは『ミリ単位の細かい世界であることがわかった』『とてもわかりやすく、機材操作を通じてモノづくりのイメージができた』といった、ほぼ期待通りの反応が得られています。もちろん第1回目の研修参加者も職場に配属されたばかりですから、半年後、1年後の成長具合も確認しながら、場合によってはプログラムを改修して行きたいと考えています」

参加者からはモノづくりの面白さが体験できたという声がきかれた。

AKIBA 宇野澤(営業担当)「AKIBAとしても、研修を2回3回とさせていただく中で、テックスタッフが中心となって研修内容をブラッシュアップしています。実際に加工機械に触れる時間を長く取れるようにマイナーチェンジし、モノづくりは楽しいということを伝えられるように工夫しています」

 

実際にモノづくりを体験できる研修の大切さ

――研修先としてAKIBAを選ばれたポイントをお教えいただけますか?

工藤氏「座学だけで勉強をしても、モノづくりに触れるわけではないので、座学研修を受けた社員たちも実際の仕事とのギャップを感じていたようです。

そうした背景もありモノづくりの体験が非常に重要だと考え、研修内容を見直すことにしたんです。
自社での研修も検討しましたが、ITや電子系と違い、機械加工は機器のメンテナンスも含めた設備管理が重要となります。外部の施設を探して何社かお話を伺った中で、設備の充実度、機械系の研修ができることと、立地の良さから、AKIBAを選びました。

また今回の研修に加え、今後は、新卒採用や中途採用向けの説明会にも活用しようと考えています。採用においても雰囲気は重要です。普通の会議室よりも、ワクワクする空間でお話したほうが、魅力を感じていただきやすいですよね。説明会時に、このAKIBAでこういう研修をやっていますと説明すれば求職者の方もイメージしやすいので、研修と採用、両面での効果を期待しています」

AKIBAを使うことで、研修と採用の両面の効果を期待している

 

人材業界におけるブランディング・差別化

――AKIBAでの研修も他社との差別化のひとつだとお考えですか?

工藤氏「工学系に進む学生が少なくなり、採用しづらくなっているという実情があります。弊社は自動車業界大手のメーカーと取引がありますし、部品メーカーもTier2、Tier3(自動車業界での2次請け、3次請けの呼び方)まで取引があります。
大手サプライヤーではないTier2、Tier3だと、募集してもなかなか人が来てくれないという声があり、採用が旺盛な自動車業界でも、全体としては苦戦しています。

こうした状況の中で、採用するためのブランディング、差別化は重要なポイントです。元々研修制度がなかった同業他社でも、最近では弊社同様に研修を始めていますから、より差別化をしていかなければなりません。机上の研修ではなく、本当のモノづくりができる技術者を世の中に輩出できる研修に取り組む必要があります」

――中途採用者に対する研修期間はどれくらいでしょうか?

工藤氏「入社後のマナー研修、導入研修も含めて4週間ほどです。そのうち技術関連の研修が3週間ですが、これでも足りません。ただ、実際に現場で技術を使えることに意義があるので、一度に詰め込み過ぎても抜けていってしまいます。
最初に集合研修を実施した後は、配属先でのOJT教育や各拠点にいる技術者のリーダーによる研修を通じた継続学習を実施しています」

――将来どのような技術者になって欲しいとお考えですか。

工藤氏自立した技術者になって欲しいですね。新卒採用の面接も毎年行っていますが、年々感じるのは、自分で決められない学生が増えている、ということです。

まず、大学の選択でミスマッチしている学生も多いです。本来は、どういう仕事に就きたいのかをイメージして学科を選ぶべきだと思いますが、時代が変わってきたのか、目的を持たずに学科を選んでいる学生が増えた印象です。

もちろん、企業に就職したとしても、未経験では必ずしもやりたい仕事ができるわけではありません。自動車会社に入ってエンジン設計がやりたいと思っても、実際に新入社員が配属されるのは数%。それ以外は別の部分の設計だったり、生産技術だったり、工場の管理だったり。やりたい仕事とのミスマッチは少なからずあります」

 

適職を見つけられるプラットフォームとして

工藤氏「会社としてどのように雇用を生み出していくのか。これは非常に重要で社会的な課題です。理工系を出ている学生だけではなく、例えば昨日までフリーターで特定の仕事に就いていない方、ショップの販売員やコンビニの店員から『手に職をつけたい』と考えている方にも、転職のきっかけや機会作りを考えなくてはいけません。

人手不足という状況は、逆にいえば企業の研究開発費や設備投資が旺盛だということです。エンジニアが不足しているという今の状況は、未経験の方にとっても大きなチャンスがあります。研修を通して育成し、うまくマッチングさせることで全員がWin-Winになります。

時代は変わり、今では、安定した会社にいることイコール安定した人生ではなくなりました。技術の進歩やグローバル化が進む中で、世の中で必要とされる技術を持った人材、活躍できる人材を育てることが一番大切なことではないでしょうか」

(取材・文:後藤銀河)

 

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