DMM.make AKIBAのビジネスメディア「FACT」

グロービス経営大学院がミニ四駆ワークショップを導入した理由

経営学の大学院修士課程を修了した証しであるMBA(Master of Business Administration、経営学修士)。2006年に開学したグロービス経営大学院は、社会人を対象にしたMBAプログラムを提供する専門職大学院として、日本最大の規模を誇っている。
そんなグロービスの英語MBAプログラムの事務局が、DMM.make AKIBA(以下、AKIBA)の実施するミニ四駆ワークショップをスタッフ研修に取り入れた。一見するとものづくりと経営学には距離があるように思えるが、なぜ日本最大のビジネススクールがスタッフ研修にミニ四駆ワークショップを採用したのだろうか。
発案者であるグロービス経営大学院 英語MBA事務局の清水さやか氏、権平純子氏、北村明子氏の3名にその狙いと反響を伺った。

 

技術とイノベーションの掛け合わせ「テクノベート」

今回お話を伺ったグロービス経営大学院の清水さやか氏、北村明子氏、権平純子氏と、同社を担当したDMM.make AKIBAの宇野澤英朋と椎谷達大(左から右)

――グロービス経営大学院の事務局としてAKIBAに関心を持ったきっかけを教えてください

北村氏 「グロービス経営大学院ではこの数年、『テクノベート』(テクノロジーとイノベーションを組み合わせた造語)と呼ばれる、テクノロジーによってビジネスの変革が急速に進むに時代に必須の経営知、スキルを磨く科目の拡充に力をいれています」

清水氏「テクノロジーを正しく理解することは事業開発に携わる人材にとって必要不可欠になっています。マネジメントにおいても同様に、たとえ自分が技術職でなかったとしても、エンジニアをマネジメントするためには、テクノロジーのあり方を理解する必要がありますよね」

北村氏「グロービス経営大学院の母体である株式会社グロービスでは、部門ごとに『リトリート』と呼ばれる社員研修を行っています。普段の業務とは離れたアクティビティを通じ、意識の向上や部内での戦略共有を目指すものとして年に一度開催されており、2018年度の英語MBAプログラム部門の研修では私たち3人が実行委員になりました。

部内に新しいメンバーが多かったのでチームビルディングに繋がるもの、なおかつテクノベートの方向性とも合致する学びがあるもの、という内容で検討した際にAKIBAでの研修が候補に挙がりました。具体的な内容はAKIBAのみなさまとの相談で決まっていったのですが、打ち合わせの際に見学したAKIBAの工房もとても魅力的でしたね。最先端のテクノロジーが活用されている、まさにその現場や空気感をスタッフにも体験してほしいと思いました」

清水氏「他の案もいくつかあったのですが、忙しいメンバーでも集まりやすく、日帰りも可能なロケーションであることもプラスに働き、AKIBAで研修を行うことに決まりました」

 

AKIBAの提供するミニ四駆ワークショップ

当日制作したミニ四駆。赤いカバーは参加者が当日モデリングして、3Dプリントした

グロービスからの依頼を受けてAKIBAが実施した研修の内容は、スマートフォンで操作する改造ミニ四駆をひとチーム3人で製作し、最後にレースをするというもの。ミニ四駆の組み立てや制御部のはんだ付け、無線通信での操作を経験することができる。

ここからは、研修の内容を設計し当日のサポートも担当したAKIBAの担当者を交えて話を聞いていこう。

――研修としてミニ四駆製作のワークショップを提案した理由を教えてください。

左:DMM.make AKIBA セールスマネージャー 宇野澤英朋
右:DMM.make AKIBA テックスタッフ 椎谷達大

宇野澤「チームビルディングに繋げたい、最先端のものづくりを体験したいという要望から内容を検討しました。ミニ四駆であればパートに分かれて複数人で作れますし、Wi-Fi経由でスマホから操作するという先端の要素も体験できます。AKIBAで過去に数回開催されたワークショップをベースに、3Dプリンターが誰でも使えるようになったことを伝えるため、外装の3Dモデリングと3Dプリントを追加しました」

椎谷「3Dモデリングは初めての試みだったのですが、皆さん操作の理解も早く、用意した基本形状にどんどんアレンジが施され、個性的なデザインになったので驚きました。研修の最後にはレースをするのですが、やはり盛り上がる部分なので時間の制約がある中でも入れることができて良かったです」

――研修の感想を聞かせてください。

権平氏「私はいち参加者として研修に参加しました。こうしたものづくりに取り組んだことが無く不安でしたが、メンターの方に丁寧に教えていただいたおかげで、研修とは思えないくらい楽しんで取り組めました。3Dプリンターで段々形が出来上がっていく様子を見てはしゃいでいました(笑)」

英語MBAプログラム事務局 権平純子氏

北村氏「私と清水は参加者の様子を見守っていました。外国人も多くダイバーシティの高い部門なので、テクニカルな部分で問題が起きたとき、スタッフの方とのやり取りがうまくいくか少し心配していましたが、言葉の壁も気にせず楽しんでいましたね」

清水氏「全8チームのうち1~2チームくらいはマシンを動かせずに落胆することもあり得るかと思っていたのですが、まったく問題ありませんでした。全員が目標を達成できたので、幹事としても良かったと感じています」

 

誰も置いていかない、先回りするサポート

――ワークショップを進めるうえで重要視していることはありますか?

椎谷一番避けなければいけないのは、脱落者が出ることです。できるだけ全体の様子を見渡してほったらかしにされる人が出ないように意識し、万が一失敗してしまってもリカバリーできるバックアップを準備しています。
そもそも失敗が起こらないように、失敗しそうなところは先回りして注意を促すことも常に心掛けています。ミニ四駆製作のワークショップは長い間実施していますが、これまで脱落者ゼロでやってくることができています」

清水氏「スタッフ側から声をかけ、先回りしてサポートしてくれるんですよ。『言われた内容が難しくて分からない』ということも無く、やさしくかみ砕いて教えてくれる印象でした。一般的に社交性の高いエンジニアは少ないという印象があったので驚いたのですが、テックスタッフの採用時にもコミュニケーション能力を考慮していると聞いて感心しました」

キャプション:ミニ四駆ワークショップの様子。当日はDMM.make AKIBAの一室を使って実施した。

椎谷「自分も『喋れるエンジニア』として採用された部分もあるかと思っています(笑)。

サポートの内容について言えば、参加者のスキルや経験は千差万別なので、基本的にはこちらから手伝うことを前提にしています。これまで小学生のお子さんから70代の方まで幅広く教えてきた経験を踏まえ、事前の準備や段取り、先回りが必要なサポートを考慮しながらワークショップをデザインしています」

 

発想の飛躍と具体的なアクションを両立させる

――研修後の反応はいかがでしたか?

北村氏「リトリートではアクティビティの後に参加者でディスカッションを行います。柔軟に頭を動かせたおかげか、ディスカッションも大いに盛り上がり、たいへん感謝しています」

英語MBAプログラム事務局 北村明子氏

清水氏「ディスカッションでは学校運営や部門のビジョンを実現するための方策など、達成のハードルが高いものを議題として取り上げるので、発想も飛躍させる必要があります。かといって、発想を広げることだけを目的にアクティビティを設計すると、抽象的なディスカッションや実現可能性が低いアイディアに繋がってしまいます。

今回の研修からは、具体性が高くすぐにでも動けそうなアイディアが生まれてきました。『チームビルディング』『テクノロジー×イノベーションを体感する』という当初の目的も達成できたと感じています」

北村氏「社内で報告すると、別部門の人からも関心を寄せられました。今後もグロービスとしてテクノベートに注力していくので、またAKIBAとご一緒できる機会もあるかと思います」

参加メンバーからは「ここ数年で最も楽しいリトリートだった」、「普段できない経験ができて、刺激と興奮、学びをもらった」、「メンバーの知らない一面を見ることができた」といったコメントが寄せられ、大好評だったという今回の研修。従来のMBAの概念に縛られず、最先端のテクノロジーを正しく理解しビジネスに反映していこうとするグロービスのビジョンと、職種や経験を問わずものづくりを体験できるAKIBAのワークショップが親和したことで、大いに実りある内容になったようだ。

(取材・文:淺野義弘)

 

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